印象 - 問題

以下は、印象に関する具体的な問題や手順上のミス、その原因や回避策についてまとめたものです。また、印象そのものの画像をデジタル模型と比較した画像を掲載し、各問題についてわかりやすく説明しています。

印象に関する問題

手順上のミス




印象に関する問題



くぼみ

  • 説明:歯科解剖学的構造や歯肉線が、周囲の印象材によって完全に捉えられていません。 
  • 原因:印象トレー内の材料が不足しているために起こります。 
  • 回避方法:印象採得時に、十分な材料を使用するようにします。少なすぎるよりは多すぎるほうがよいです。

Voids.PNG

voids_scan.png




気泡

  • 説明:言葉通り、印象材内にできる気泡のことです。
  • 原因:1. 印象材を塗布している途中で、ミキシングチップが材料から浮き上がり、材料の下に空洞ができることにより発生します。2. 患者の口腔内に過剰な唾液がある場合です。
  • 回避方法: 1. ミキシングチップが材料に挿入された状態を保ちながら、注入を行います。2. 余分な唾液を除去してから、印象採得を行います。 

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bubbles_scan.PNG




薄い壁

  • 説明:これは、材料自体は歯科解剖学的構造の大部分を捉えていても、スキャンプロセスでトレーがうまくスキャンされず、歯科解剖学的構造の大部分が不完全または歪んだ状態になっている場合を示します。
  • 原因:壁が薄くなる原因はさまざまです。たとえば、材料が十分でない、トレーが小さすぎる、またはトレーを圧接しすぎたなどです。 
  • 回避方法:1. 十分な材料を使用しているかどうか確認します。少なすぎるよりは多すぎるほうがよいです。2. 患者の口内でトレーをテストします。トレーは、最遠位の歯の向こう側に届いている必要があります。3. トレーを歯に強く押し付けすぎないでください。歯が印象材を貫通してトレーに当たることのないようにしてください。

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Thin_walls_scan_5.PNG




二重印記(ずれ) <?h2>

  • 説明:これは、2本の歯茎線や2つの歯型のようなものが、左右または上下に隣接している場合です。 
  • 原因:1. 硬化の途中でトレー、アーチ全体、または象限が動いた場合です。2. ミディアム/ヘビーボディのPVS印象採得時などで第一段階が適切に実施されず、第一段階の印象の上にラップが使用されていない場合です。
  • 回避方法: 1. 印象採得中に歯を動かさないことの重要性を、患者にしっかりと伝えます。2. 印象採得2回法でミディアム/ヘビーボディの印象をとる場合は、必ずラップを使用してください。ラップを使用することによって、(カスタム印象トレーと同様に)歯の大きな/粗い形状の印象が採得されます。

double_imprint_2.PNG

double_imprint_scan.PNG




引っ張り

  • 説明:印象の歯肉縁が「引っ張られた」状態になっています。
  • 原因: 1. 印象材が挿入前に早期に硬化し、歯肉縁の周りが「引っ張られた」場合です。2. 印象材が十分に硬化していない状態で、早期に口腔内から取り出された(引っ張られた)場合です。
  • 回避方法: 1. 材料を注入したら、できるだけ早く患者の口内にトレーを挿入します。2. トレーを患者の口内に入れた状態で、付属の説明書よりも60~90秒長く放置します。

pulls_3.PNG

Pulls_scan.PNG




裂け

  • 説明:印象材が何らかの原因で破れ、その位置がずれて印象の精度が損なわれている場合です。 
  • 原因:1. 裂けは患者に極度のアンダーカットまたはブラックトライアングルがある場合に生じます。印象を取り外す際に、印象材が隣接歯間にはまり込み、裂けが生じます。2. また、剥がす前に材料が完全に硬化していない場合にも、裂けが発生することがあります。
  • 回避方法:1. 印象採得の前にワックスでアンダーカットを塞ぎます。2. トレーを付属の説明書よりも60~90秒長く放置します。

Tears_2.PNG

tears_scan.PNG




手順上のミス



不適切な印象採得2回法

  • 説明:第二段階が第一段階に接着されなかった場合です。上の画像では、上部の緑色のライトボディ材だけが見える状態になっており、紫色のヘビーボディ材が混ざっていません。これによって、第一段階と第二段階が接着しなかったことがわかります。
  • 原因:非適合のヘビーボディ材とライトボディ材の使用によるものです。
  • 回避方法:購入前にヘビーボディ材とライトボディ材の適合性を確認します。

Improper_2_step.png




材料の不足

  • 説明:十分な材料が使用されなかった場合です。
  • 原因:使用する印象トレーのサイズに対して、計量した材料が不十分です。
  • 回避方法:材料は少なすぎるより、多すぎる方がよいです。

insufficient_material.jpg

insufficient_material_scan.PNG




ライトボディ材の不使用

  • 説明:ライトボディ材が使用されていない場合。ライトボディ材とヘビーボディ材は、識別しやすいように、通常2つの異なる色で提供されます。歯茎線や咬合の解剖学的構造の境界がはっきりしていない場合、シャープなディテールがなく、丸みを帯びた印象になってしまいます。
  • 原因:ライトボディ材が使用されていません。
  • 回避方法:ライトボディ材を必ず使用します。当社の印象採得1回法2回法の動画をご覧ください。

no_light_body.jpg

no_light_body_scan.PNG

 

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