補助装置を使用して歯を回転させる方法に関する情報は、以下を参照してください。
定義
回転とは、歯をその長軸を中心に回すことです。歯を回転させる方法として、ボタンやエラスティックなどの補助装置を使用する方法があります。1つのボタンは回転させる歯に、もう1つのボタンは「アンカー」となる歯に配置します。アンカーとなる歯を動かさずに、歯の回転矯正を行うことが目的です。
切歯など歯根面積の少ない歯と、それよりも歯根面積の著しく大きい小臼歯や大臼歯を組み合わせるのが一般的な戦略です。アライナーがうまくフィットし、予定通り装着されると、アライナーによって固定されているため、通常、アンカーとなる歯が動くことはありません。また、アンカーの固定力が失われたり不十分であることが大きく懸念される場合は、アライナー自体にアンカーボタンを配置することも可能です。
補助装置による回転
注:歯が希望通りに回転しない場合、以下の回転方法を使用できます。
警告:注意事項:回転させる歯が実際にその長軸を中心に「回転」し、近心または遠心方向に移動してアライナーや隣接歯に接触し、求められる回転が妨げられていないことを確認する必要があります。回転の速度を遅くする方がよいかもしれません。
補助装置を使用して歯を回転させるには、以下の手順を実行します。
必要な器具:
- レジンセメント
- 矯正治療用ブラケットを接着するためのコンポジットレジン
- セラミック製、金属製、プラスチック製の矯正治療用ボタン
- ライト3/16インチまたは1/4インチのエラスティック
- 1穴ペーパーパンチ、アライナー穴あけプライヤー
- ダイヤモンドバーまたはアクリルバー
1. ボタンを接着するために、アライナーを以下のように加工します。
- 1穴ペーパーパンチ、アライナー穴あけプライヤー、アクリルバーまたはダイヤモンドバー使用して、アライナーの歯頚部を半円状にくり抜き、そこにボタンを取り付けます。
2. 一般的なエッチングおよび接着手順に従って、以下の前処置を行います。
- 歯面のボタンを装着する部分にエッチング処理を行います。空気/水両用シリンジで酸を洗い流し、乾燥させます。
3. ボタンを装着します。
- 回転させたい歯に回転中心から外れた位置でボタンを接着することで歯を回転させます。アンカーとなる歯の所定のスペースの中心位置にボタンを接着します。
4. 適切なIPR手法を使用して、歯を回転させるための十分なスペースができていることを確認してください。
- バーでアライナーを加工し、回転の妨げになるトレーの少量の材料を除去します。
5. 装置を装着し、エラスティックを取り付けます。
- トレーを装着し、配置した顔側ボタンそれぞれにエラスティックを取り付けます。2つのボタン間の距離に応じて、ライト3/16インチまたは1/4インチが一般的に用いられます。(上記の注意事項を参照)
エラスティックは、回転が矯正されるまで、または多少オーバーコレクションの状態になるまで装着します。後戻りを防ぐために、オーバーコレクションを治療構成で設定することができます。毎回の診察時に経過を慎重にモニタリングします。
まとめ
回転による歯列矯正は、補助装置を使用して行うことができ、臨床医がより複雑な状況を治療するための別の戦略を提供します。
コメント
0件のコメント