アライナーのトリムラインについては、以下を参照してください。
概要
ご存知のとおり、アライナーは、希望するとおりに歯を動かすため強い保持力を必要とします。
2012年の研究で、ネバダ大学の博士らが以下の3つのトリミング方法について保持力の強さを比較しました。
- スキャロップ状の辺縁
- 歯肉の頂点でまっすぐ切断
- 歯肉の頂点から2 mm上でまっすぐ切断
これらの方法には顕著な差が認められました。エンゲイジャー不使用の透明アライナーの場合、頂点から2 mmでまっすぐ切断したものは、スキャロップ状に切断したものの約2倍の保持力を示しました。エンゲイジャー使用の透明アライナーの場合、頂点から2 mmでまっすぐ切断したものは、スキャロップ状に切断したものの実に4倍を超える保持力を示しました。
アライナーのトリミングの違いは、エンゲイジャーの有無よりも大きな影響を及ぼしました。
これらの結果に基づき、2013年、弊社はアライナーの輪郭をより滑らかにし、辺縁のオーバーラップをより大きくするトリミングを開始しました。
遊離歯肉にアライナーが当たるリスクが減ることから、この方法により弊社のアライナーはより快適なものとなっています。また、日々の使用時、アライナーの端が患者の唇の下に隠れるため、より目立ちにくくなっています。
特注のトリミングを依頼できますか?
現時点では、特注のトリミングの依頼は受け付けておりません。すべてのアライナーに同一の標準プロトコルを使用してトリミングします。アライナーのカスタマイズをご希望の場合、ご自身の医院で研磨ホイール(弊社のオンラインストアで,一部地域ではご利用いただけません)購入可能なもの等)を使って容易に行っていただくことが可能であり、それは問題ありません。
歯肉が痛いと患者が訴えた場合、何を確認すべきですか?
クリアコレクトアライナーには多段階の研磨処理を施すことから、実際には辺縁が粗い、または鋭利であることはきわめてまれです。ただ、アライナーを装着した最初の数日にある程度の違和感があるのは、当然であり一般的なことです。これは多くの場合、軟組織が口内に異物があることに慣れようとしていることを示しています。患者がアライナーの装着を止めれば、粘膜への変化はやがてなくなります。
歯肉に当たっている場合、一つの可能性として印象採得時に歯肉が正確に印象されなかったことが考えられます。歯肉を3~4 mm含めることが推奨されます。不完全な印象は弊社の製作モデルに影響を及ぼすことになります。
小帯損傷がないかについてもご確認ください。
小帯損傷はわかりにくいかもしれません。というのは、最初アライナーが快適に感じられるのに、患者が話したり動き回ったりするにつれて、小帯がひりひりしたり潰瘍を起こしたりするからです。残念ながらこの動的な変化は印象では捉えられません。これを同定するには明瞭な写真が役立ちます。小帯損傷はまれですが、発生時は通常上顎小臼歯および正中領域で確認されます。これが問題であることが確認された場合、患部ではアライナーを短くトリミングことも可能です。
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